<東京六大学野球>早慶戦は早大が先勝 有原が今季初完封

 

毎日新聞 11月2日(土)18時44分配信

 最終週の早慶1回戦を行い、早大が先勝した。三回に重信(2年・早稲田実)の適時二塁打で先制した早大は、五回にも重信が再び適時二塁打を放ち、差を広げた。有原(3年・広陵)は被安打1、与四球1で今季初の完封勝利を挙げた。プロ野球・日本ハムから6位指名された慶大の白村(4年・慶応)は5回2失点で、打線の援護に恵まれなかった。

 ◇早大・有原航平投手(3年)

 「こんなに早い段階でやってくるとは……」。三回1死から8番打者にバントで内野安打を決められた。「もっと気合を入れていけばよかった」。しかし、許した安打はその一本だけ。そう悔いるほどの出来だった。

 変化球を自由自在に操った。「慶応は早打ちなので引っかけさせた」。ツーシームもスライダーもコーナーへぴたりと決める。ここに最速151キロの直球を交えて緩急も利かせ慶大打線を黙らせた。

 広島・広陵高時代にセンバツ4強のエースも、終盤に突如崩れる悪い癖があった。この夏に走り込み、投げ込んでスタミナを蓄え、制球を磨き、「終盤でも思い通りに投げられる」。3球で3者凡退に仕留めた八回に、成長を感じさせた。

 防御率は0.72。広陵の1学年後輩の明大・上原を抜き、トップへ。一皮むけた気配が漂う。【倉岡一樹】